リン酸塩は、水道水にも含まれており、魚や無脊椎動物のエサにも含まれています。特に立ち上げ初期の水槽ではライブロックに付着した生物の死骸由来のリン酸塩が多く発生することがあります。過剰なリン酸塩はサンゴの成長を抑制し、富栄養な状態は藻類の成長をもたらします。 

ーリン酸とは

リンはすべての水生生物に必要な必須元素です。細胞エネルギーの構成要素であり、必須ホルモンや酵素の成分でもあります。魚や無脊椎動物は、プランクトン、藻類などのリンを多く含む食材を食べます。これらは有機リン源であり、腸内で分解されて生物に吸収された後、過剰なリンは無機リンの形で排出されます。魚の排出物、サンゴの粘液、死骸、残骸、藻類は水槽にリン酸塩を放出します。

ーリン酸の検査方法

リン酸塩を測る最も便利な方法は、水槽の水の無機リン酸塩レベルを測定する水槽テストキットを使用することです。

ーリン酸塩・魚とサンゴの関係

水槽にろ過機能を超える数の魚がいる場合、リン酸塩と硝酸塩がすぐに問題になります。魚のいるサンゴ水槽では毎週２０％の水交換でも、リン酸塩を0.05ppm未満に保つのは困難です。魚を飼育するには大量のエサが必要な為、必然的に水は汚れていきます。

ーリン酸塩を制御する方法

リン酸塩を制御するためには、いくつかの方法があり、複数の方法を組み合わせることでより効果的にリン酸塩を除去することができます。

①頻回に水替えを行う

②プロテインスキマー　水中にリン酸塩が放出される前に有機物を取り除くことができます。

③リフュージウム・藻類リアクター　リフュージウムは成長の早い大型藻類によって、リン酸塩、硝酸塩、その他の栄養を除去します。

④リン酸吸着剤　大きくは固形タイプと液体タイプに分かれます。固形タイプは単体で吸着した固形物を交換することで水槽から除去しやすいという特徴がある反面、周囲を通過する水に含まれるリン酸塩にしか反応しないため効果が表れるまで時間がかかり、特に低濃度では効果が発揮しづらいという特徴があります。液体タイプは水中に溶け込んで反応吸着するため、即効性があり比較的低濃度でも効果が得られやすい反面、吸着した反応物はプロテインスキマーやその他物理ろ過装置で取り除く必要があるという特徴があります。

８C Reef Labでは、以下の液体タイプ吸着剤を取り扱っています。

De-Phos Liq　…【効果】直接リン酸塩と結合して微細な不溶性粒子を形成することでリン酸塩を除去する。

⑤バクテリオプランクトンシステム　炭素源を餌として与えバクテリアを増殖させることで、リン酸塩、硝酸塩、その他の栄養を除去します。与える炭素源の性質によりバランスは異なりますが、このシステムではリン酸塩のみならず、硝酸塩・カリウムをともに消費し、リン酸塩が下がりきる前に硝酸塩が下がりすぎてしまったり、カリウムが生体にとって必要なバランス以下に減ってしまうため、必要に応じて適切にこの二つを補うことで狙い通りにリン酸塩を超低濃度まで減らすことができます。

８C Reef Labでは、以下の添加剤を取り扱っています。

Bact Support NK　…【効果】硝酸塩濃度を速やかに上昇させ、カリウムを同時添加することで、リン酸塩を狙い通りに減少させる。リン酸塩濃度が極端に高い場合は、De Phos Liq と併用しての使用を推奨しています。